不登校の子どもにオンライン学習がおすすめな4つの理由

社会全体のデジタルトランスフォーメーションが進むなか、ICT(情報通信技術)を使った教育も広く浸透してきました。

不登校の子どもに対し「学習が遅れるのでは」と不安を持つ保護者も、オンライン学習の導入で子どもの教育の可能性を広げてあげられるでしょう。

 

本記事では、不登校の子どもにオンライン学習がおすすめな理由やシステムの選び方、さらには親ができるサポートについて紹介します。

オンライン学習を使って、子どもの「学びたい気持ち」をしっかりとサポートしましょう。

不登校の子どもにオンライン学習がおすすめな4つの理由   

オンライン学習は、インターネットを使った双方向型の学習です。インターネット環境とデジタルデバイスがあれば、子どもは学校に行かなくても必要な学びを得られます。

オンライン学習ならではのメリットを見ていきましょう。

1. 外に出る必要がない      

オンライン学習なら、慣れ親しんだ我が家が教育の場となります。外に出掛ける必要はなく、子どもは安心して学べます。

 

人との接触が苦手な子どもにとって、家を出ることそのものがプレッシャーになることは少なくありません。「登校日」が設定されている通信教育などと比較すると、登校不要のオンライン学習の方が、子どもにとってのハードルは低いでしょう。

2. 学校に行かなくても出席扱いにできる  

2017年に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法)」が施行され、一定の条件をクリアした子どもについては、学校に行かなくても「出席した」と認められるようになりました。

オンライン学習のなかには文科省の定める要件をクリアしたものもあり、これを活用すれば不登校でも「欠席」にはカウントされません。

 

ただし、制度を利用するためには、「保護者・学校間の連携・協力関係が構築されていること」「学校長が許可し、子どもの現状を適切に把握していること」などの条件があります。[注1

オンライン学習で出席扱いにしたい場合は、まず学校と協議してみましょう。

 

[注1]文部科学省:不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm

3. 子どもの状況に合わせて学習しやすい  

オンライン学習なら、時間の融通が利きます。子どもの調子が悪いときは休んだり、興味のある授業を選択したりと「子ども中心」の学習が可能です。カリキュラムも子どもに合わせて組めるので、子どもの学習意欲を保ちやすくなります。

 

基本的に学校は集団学習であり、個々の子どもの都合には配慮されません。他人と合わせるのが苦手だったり学習ペースがゆっくりだったりする子どもは、オンライン学習の方がストレスを感じにくいでしょう。

4. 親の不安も相談できる  

不登校児をサポートするオンライン学習のなかには、サポート機能が充実しているものが多々あります。子どもの学習について不安があれば、助言を求めることが可能です。

 

親は子どもを思う気持ちは強いものの、教育のプロではありません。学習の進め方については分からないことが多く、悩むことも多いでしょう。

オンライン学習のサポートを受けられれば、親も1人で不安を抱え込まずに済みます。


不登校の子どもにおすすめのオンライン学習の選び方           

オンライン学習の種類は増えており、授業形式・教え方は異なります。子どもが集中して取り組めるオンライン学習を選ぶには、どこに注目すればよいのでしょうか。

不登校の子どもにおすすめのオンライン学習の選び方を紹介します。

1. 受講日・時間帯の融通が利くか

時から」と固定で決められていると、萎縮してしまう子どもがいます。気分の安定しない子どもには、受講日や時間帯の選択は広い方がよいでしょう。

 

たとえば、オンライン学習のなかには、24時間いつでも見られるオンデマンド式の授業があります。これなら分からないところは繰り返し見られるうえ、誰にも気を遣う必要がありません。マイペースで学びたい子どもには、ストレスが少ないはずです。

2. フォローシステムが整っているか          

1人で勉強すれば、理解できないことも出てきます。このとき、メールやチャット等で随時質問を受け付けてくれるオンライン学習がよいでしょう。

 

子どものなかには、「分からない」を口にできなかったり他人の目を気にしたりするタイプもいます。面と向かって質問できない子どもにとっては、「気兼ねなく人に質問できるシステム」は非常に重要です。

3. 出席扱い要件をクリアしているか

不登校中でも「出席扱い」にするためには、「子どもの学習理解度を踏まえた計画的なプログラムであること」などの要件をクリアすることが必要です。選択するオンライン学習によっては、許可が下りない可能性があります。

そのシステムが有効かどうかは、実績をチェックするのがおすすめです。制度を利用した保護者の声などがあれば、それを参考にしてみましょう。

不登校の子どものオンライン学習で親ができるサポート       

不登校の子どもにオンライン学習を受けさせる場合、家庭でのサポートが不可欠です。親が適切にサポートすれば、子どものスムーズな学習やモチベーション維持の助けとなるでしょう。

不登校の子どもに親ができるサポートを紹介します。

1. インターネット環境を整える    

現在家庭用Wi-Fiを導入していない家庭は、高速インターネットの導入を検討しましょう。

オンライン学習を快適に行うには、回線の安定性・速度が非常に重要です。オンライン授業中に「画像が消える」「音が切れる」等が頻出すれば、子どものやる気が削がれます。

高速な光回線はもちろん、スムーズな動画視聴が可能なスペックのPC・音を聴きやすいヘッドセットなども用意しておくのがおすすめです。

2. 子どもの生活リズムを整える    

基本的にオンライン学習は、「学校への復帰を目指しつつ行う」のが大前提です。不登校中でも子どもの起床・就寝の時間を決め、食事も規則正しく摂るよう促してください。

好きな時間に寝て、食べて……、といった不規則な生活に慣れてしまうと、子どもはますます外に出られなくなる恐れがあります。子どもに負担を掛けない範囲で、生活リズムを整えてあげましょう。

3. 子どもと積極的にコミュニケーションを取る    

子どもがオンライン学習を終えたら、「今日はどんなことをしたの?」「分からないところはなかった?」などと声を掛けましょう。

不登校の子どもが接するのは、オンライン学習の講師・親だけです。コミュニケーション能力が退化して、ますます外に出るのが嫌いになるかもしれません。

子どもに声を掛けるときのポイントは、子どもが長く話せるような質問をすることです。親も一緒にテキストを見て、「ここは?」「これは何?」と質問してみてください。


【まとめ】

オンラインによる家庭学習は不登校の子どもの有力な選択肢の一つ

欧米では学校ではなく家庭で勉強する「ホームスクーリング」という考えが浸透しており、学校に行かないことは問題視されません。

 

日本でも「学校教育が全てではない」という価値観が浸透し始めており、充実したカリキュラムを提供するオンライン学習も増えてきました。

「子どもが不登校だから将来が不安」などと保護者が感じる必要はなく、子どもの個性を伸ばせる学習方法を選択すればよいでしょう。

ただし、オンライン学習塾にも合う・合わないがあります。「評判がよいから」ではなく、子どもとの相性を見極めたうえで、最適なオンライン学習を選びましょう。






スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事